【中小企業こそ脱炭素経営】メリットを総まとめ

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世界的に脱炭素経営が志向される潮流にあって、グローバル企業や大企業だけではなく、中小企業にも脱炭素経営が求められるようになってきています。そもそもなぜ中小企業も脱炭素に取り組む必要があるのか、中小企業が脱炭素経営に取り組むメリットは何があるのか、をまとめてみます。

なぜ中小企業にも脱炭素経営が求められているのか?

①2050年までに脱炭素社会の実現を宣言
2016年発効されたパリ協定に基づき、日本は2020年10月に当時の菅総理が、日本の温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする、いわゆる脱炭素社会の実現を世界に宣言しました。
これにより、企業にも脱炭素を取り入れた事業運営が求められるようになり、大企業のみならず日本企業の大多数を占める中小企業にも取組が求められています。

②ESG投融資の世界規模の拡大
ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指しますが、投資家に対してESG 情報を考慮した投資行動を求める PRI へ署名する投資家・金融機関は2021年までの統計ではすでに3,826にのぼります。2006 年の発足から、60倍以上も拡大しており、ESG投資も今後一層の拡大が予測されています。

③グローバル企業のサプライチェーン全体の脱炭素化
GAFAなどに代表されるグローバル企業は自社だけでなく、サプライチェーンにも脱炭素を求める動きが増えています。なかには、再エネ利用や環境に配慮した事業運営を取引条件の一つにする企業もあり、取引を続けるために脱炭素への取り組みが必要になります。近年は、グローバル企業のみならず、日本企業でもこの動きは活発化しており、大企業だけでなく中小企業も含めいち早く対応することで、競争力の強化に繋がります。

以上のように、どちらかというと大企業中心に進んできた脱炭素経営への取り組みが、国の方針・財務の基準変化・競争力の新基準などにつながり、全企業の99%以上を中小企業が占める日本においても、企業の価値の一つの目安として脱炭素経営への取り組みがあげられるようになっています。

(出典:脱炭素社会に向けた潮流と企業・地域の価値向上について|環境省)

中小企業が脱炭素経営に取り組むメリットとは?

①競争優位につながる
環境意識の高い企業であればあるほど、取引先・サプライヤーなどに対してCO2排出量の削減を求める傾向が顕著に強まりつつあります。脱炭素経営を実践することで、このような企業に対してアピールでき、自社の営業競争力の強化、取引先の開拓、ひいては売上の拡大に繋がります。

②光熱費・燃料費などのコスト削減につながる
脱炭素経営を行う上で、エネルギーを多く消費する非効率なプロセスの見直しと設備の更新を行います。例えば、国内の中小企業の事例では、省エネ推進等を行う財団法人が実施している無料の省エネ診断や国の補助金などを活用して、省エネ設備を導入し、光熱費・燃料費の低減に取り組み、一般的には費用が高くなると思われがちな再エネ電力の調達についても、大きな負担なく実施しているケースもあります。

③企業認知度の向上につながる
大幅なCO2排出量削減を達成した企業や再エネ導入を先駆的に進めた企業は、メディアへの掲載や国・自治体からの表彰対象となることがあります。
このようなカタチで外部への露出ができ、さらに積み上げることで、自社の知名度・認知度を向上させることに繋がります。また、光熱費を大幅に削減できたことにより、利益を出しにくい多品種少量生産の製品であっても生産・拡販できるようになり、副次効果として顧客層への貢献ができることもあります。

④新規採用・有能な人材の確保につながる
近年の新卒生へのアンケートにも企業を選ぶ基準の一つとして「気候変動などの社会課題解決に対して取り組む姿勢」が上位に上がることが多くなっています。脱炭素経営に向けた取組は、気候変動問題への関心の高い人材から共感・評価され、「この会社で働きたい」と意欲を持った人材を集める効果が期待されます。また、有能な人材の確保に繋がり、社員の共感や信頼を獲得し、ひいては社員のモチベーション向上に繋がります。働き方の多様化が進む中で、この点は日を追うごとに重視されてきています。

⑤新たな資金調達につながる
各金融機関では、融資先の選定基準に地球温暖化への取組状況を加味し、脱炭素経営を進める企業への融資条件を優遇する取組が行われています。
実際、温室効果ガス排出量の削減や再生可能エネルギーの生産量または使用量等に関する目標の達成状況に応じて貸出金利が変動するローンのプランを提供している銀行もあります。

以上の5つのような中小企業が脱炭素経営に取り組むことで得られたメリットの例などが入った資料を環境省がまとめてますので、ご興味があれば下記よりご覧ください。
(出典:中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック|環境省)

中小企業が脱炭素経営に取り組む視点とは?

少しだけ中長期視点での脱炭素経営に取り組む視点を解説いたします。
脱炭素経営=企業がゼロカーボン化を目指す経営に取り組むには出来るだけ具体的な期間を切って「計画化」することが大切です。
3つの視点が欠かせないものとしてあげられますが、どれか一つで100%カーボンニュートラルを達成するというのは現実的には非常に難しい課題となります。
そこで、3つの視点を具体的な活動に置き換え、『どの視点で○%、どの視点で○%を何年までに』というような具体的な行動計画を作成することが重要です。

●つくる
まず、最初の視点は「つくる」です。
これはつまり、太陽光発電などの設備に投資して脱炭素経営の礎となる再生可能エネルギーを自ら「つくる」ということです。具体的には自社の工場や建物、駐車場カーポートに太陽光発電設備を設置したり(オンサイト)、遠隔地に太陽光発電所を自社で設置しそこで作った再エネを活用したり(オフサイト)、それらを蓄電池や電気自動車で効率的に活用したりすることを指します。このウェブサイト内の他の記事で紹介しているように活用できる補助金や税支援制度が充実しています。
【補助金速報】最大1/3!令和4年度太陽光発電の補助金情報

●置き換える
次の視点は「置き換える」です。
これは、Jクレジット・グリーン電力証書・I-RECなどいわゆる再エネ電力の証書を購入することです。「排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの排出をまずできるだけ減らすように努力をした上で、それでも排出してしまう温室効果ガスの排出量を、他の場所での削減・吸収活動(削減・吸収量)により埋め合わせよう」というカーボンオフセットの考え方ですね。
最近では水素など非化石燃料を電気転換する技術やシステムの開発が急ピッチで進化していますが、この考え方も「置き換える」という視点の一つです。

●減らす
これは、いわゆる省エネです。
空調制御や高度なエネルギーマネジメントのシステム導入で使用するエネルギーそのものを減らしていく視点です。さまざまな方法がありますが、節電につながる一例を挙げると「照明の数を減らす」「照明の点灯時間や電気製品の稼働時間を限定する」「サマータイムを導入し、日中の稼働時間を長くする」「不要なシステム、マシンの利用を停止する(エレベーターの停止階を限定するなど)」「冷蔵室(業務用冷蔵庫)の設定温度を変更する」「給湯温度やエアコン温度の変更」「高効率照明(LEDなど)の導入」「OA機器やパソコンの省エネモード活用」「ライン停止時や非操業時の設備電源OFF」「照明器具や空調フィルターの定期的な清掃、メンテナンス」「不要変圧器の遮断」「曝気槽のブロワの間欠運転」「排水処理施設の稼働を夜間にシフト」などがあげられます。

以上の3つの視点が、企業がゼロカーボンを実現し、脱炭素経営を確立する上で重要視されています。

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