【ざっくり説明】ストレージパリティってなに?

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【ざっくり説明】ストレージパリティってなに? | WHAT'S UP | リンクス
「そもそもストレージパリティってなに?」ざっくりとわかりやすく解説します。「ストレージパリティ」とは、蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態を指します。ちょっとピンとこない…という方へもっと砕けた説明をしますと

企業にとってどんどん上昇する電気代の負担は、昨今のコロナ禍による事業環境への悪影響の中で、いっそう厳しいものと感じられていることでしょう。

環境省が募集している令和4年度の補助金事業の中でも地域の再エネ主力化とレジリエンス強化を目的とする施策として「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」に注目が集まっています。

ストレージパリティとは?

弊社もメルマガ等でご案内したところ、「そもそもストレージパリティってなに?」というお問合せをたくさんいただきました。そこで、かなりざっくりとではありますが、ストレージパリティをわかりやすく解説したいと思います。

まず、「ストレージパリティ」とは、蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットのある状態(蓄電池の導入にかかる費用よりランニングコスト削減額の合計が上回ることなど)を指します。

ちょっとピンとこない…という方へ向けて、もっと砕けた説明をしますと、「太陽光設備設置のときに蓄電池を一緒に設置した方がその後の負担が安くなる」という状態のことです。
この状態の達成のために国から補助金を出します、というのが先に紹介した補助金事業の主旨です。つまり、蓄電池付きで太陽光発電設備を持つと太陽光発電設備だけを創って持つよりもお得になるよう補助しますよ、ということです。

「いったいどういうこと?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば太陽光発電が普及していることは良いことですが、一般的な電気料金の高騰や、電力の買取価格の下落が目立つようになっています。このままでは、太陽光発電を導入する経済的メリットが薄まり、さらなる普及が妨げられるおそれがあるのです。ここで登場するのが「蓄電池」です。発電した電気を後で使えるように蓄えておく「蓄電池」をあわせて導入することにより、この問題は解決します。理論上必要なすべての電力を太陽光発電で賄えるようになり、電力コストが限りなくゼロに近づいていくという方向へ国は持っていきたいと考えているのです。

太陽光発電設備と同様に蓄電池を普及させるには、「蓄電池を導入する方が、しない場合よりも電力コストが安くなる」という状況を作りだし、消費者に導入へのモチベーションを与えなければ…。すなわち、ストレージパリティの達成が必要不可欠といえるのです。

令和4年度の再エネ系補助金・優遇税制を分かりやすく解説!
<補助金・優遇税制ガイドブックはこちら>

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※ダウンロードは無料です。pdfデータとなります。

ところで、経済産業省の「ソーラーシンギュラリティの影響度等に関する調査」報告書によると、蓄電池価格が6万円/kWhとなることで、ストレージパリティは達成可能とされています。そして2020年代の後半には、太陽光発電設備と蓄電池を併せて導入する方が既存の電力コストよりも安い局面に入り、ストレージパリティを達成するとの見込みです。

経済産業省「ソーラーシンギュラリティの影響度等に関する調査」報告書はこちらから→https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000017.pdf

我が国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示すための計画、第5次エネルギー基本計画【2018年~】の中で日本や世界の現状を踏まえ第5次エネルギー基本計画が策定され、従来の3E+Sに詳細な目標を加えた「より高度な3E+S」として

・安定供給:技術自給率とエネルギー選択肢の多様性確保
・経済効率:日本の産業競争力強化へつなげる
・環境適合:脱炭素化への挑戦
・安全性:安全の革新を図る

という目標が設定されました。

第5次エネルギー基本計画では、2030年と2050年の指針も提示しており、蓄電池については

2030年:導入を促進すべく低コスト化に向けた取り組みや技術開発等を進める
2050年:地域とエネルギーセキュリティの双方の観点から、開発を主導していく

という指針が立てられています。

経済産業省の「ストレージパリティの達成に向けた価格水準と導入見直しについて(2020年)」によると
産業用蓄電池の場合は5万円/kWh(投資回収8年)となっています。

この数値をもとに蓄電システムによるピークカット効果での収益と、蓄電システムの導入による年経費を中国電力の電気料金を例に比較し、投資回収できる価格水準を計算すると、ピークカット効果による収益が月あたり1,575円/kWなので、年間として1万8,900円/kWの収益を得ることができます。投資回収年数8年・蓄電容量3時間率という条件を考慮して、蓄電システムの経費との差額を算出したものをグラフ化すると下図のようになります。(中国地方の太陽光事業社S社様のウェブサイトによります)

(出典:大手太陽光発電事業社(広島)SAWADAさまHPより)

実際の蓄電池の価格はまだこの水準にはなく(蓄電システム単価は9〜10万円/kWh)、ストレージパリティ達成のためには今後さらなる価格低減が必要となることは明白です。経済産業省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」補助金事業の実施年度は2021年度~2024年度となっています。太陽光発電設備や蓄電池のシステム価格の低減とともに、補助額は段階的に下げていくとのことなので、補助金の活用には早めに行動を起こす必要がありそうです。

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